蝶の夢

女神異聞録 ペルソナ
作:

私はまだ夢を見ているの?
いまだに都合のいい夢の中で理想の私を演じているの?
大好きな彼の腕の中で眠る私は本当に現実の私?
取れない身体の違和感。
彼の匂い。
彼の息遣い。
彼の温かさ。
今まで経験してことが無いことが無いこと。
それだけが自分が現実にいることの唯一の証拠。
もしかして目が覚めたらただの妄想で、相変らずあの無機質の病室で自慰をしていただけかもしれない。
でも、これが現実であることを信じたい。


永い眠りから覚めたとき、彼の顔が飛び込んできた。
もう二度と会えないと思っていた。
自分のことを忘れていたと、いや自分のことを憎んでいると思っていた。
彼の表情を一目みたときからそれが杞憂だったことが分かった。
彼だけでなかった。
そのときいた理想の私の仲間たちの表情は私の心を暖めてくれた。
後から看護婦から聞いた話だとみんな私が眠っている間よくお見舞いに来ていたらしい。
私は彼女と違って何の力もないし、そして何の償いも出来ないのに…
なんだか悪い気がする。

退院してから2ヶ月。
みんなのおかげで何とか学校の授業にもついていける。
あれからいろいろ自分の生活が変わったと思う。
体調もよくなって、病院に行くことも少なくなった。
また絵も描き始めてたの。
昔描けずにいた扉の先の絵もようやく完成させ、
そして今日はじめてこの絵を見せることにした。
勿論、彼に…
帰り道、思い切って私は彼を家に招待した。
最初に彼に見せたかった。
理想の、そして私が恋した彼に。
扉の先の楽園を見せてくれた彼に。

大好きな苺のシュートケーキと紅茶を出して、
はじめは他愛無い会話をしていた。
そして、紅茶も飲み終わって絵の置いてある自室に連れてきた。
暗い部屋。
私は絵に掛かっている布を取り払い、そして電気をつけた。
「どう?……やっと…やっと完成したの」
少し自慢げに言った。
「私、この扉の先描けなかったの。
…何度も何度も何度も描いてみた。
でも、気に入らずにそのたびに上書きしていった。
いつの間にこの部分だけ黒ずんできて、あの時の私の心を表しているみたいで…。
今だったら描けると思って、この数日がんばってようやく完成させたの」
彼は無言で立っていた。
「…ごめん。
自分のことばっかり喋って…………」
「……綺麗だ」
「え!?」
突然彼に抱かれた。
あまりに突然のことでどうすればいいか分からなかった。
「ちょっと、どうしたの?」
慌てて彼の腕から逃れようとした。
「マキ…俺は…園村のことが……好きだ!」
「…それは…絵の…こと?」
「絵も含めて、君の全てが好きだ!」
「…あたしは……私は…この町を壊した大悪人だよ!
…それでも私のこと好きでいてくれるの?」
「好きだ」
「でも…でも…私は…」
喚く唇を無理矢理閉じられた。
長い口づけ。
初めてのキス。
ファーストキッスってレモンの味と聞いたけど、これは苺の味ねと考えがなぜか変な方向に行った。
「あの時のキスの返事をしたかった。…これが俺の気持ちだ」
「まるで映画みたいなキスだね」
また見当はずれなことを言っている。
頭の整理ができていない。
「ごめん。マキの気持ちのことも考えないでキスを…
でも、言いたかった。
園村の苦しみのすこしは支えたかった。
これしかまだ俺には出来ないけど、マキのそばで守りたいんだ」
「……あ…ありがとう。
でも、本当にいいの?」
「マキがいいなら恋人になって欲しい」
信じられない。
彼が私のことが好きだったなんて…
彼の鼓動が服越しに感じられるほど大きく早くなっていた。
「お、お願いします。こんなわたしでもよければ…」
「…よかった」
強く私のこと抱きしめていた彼の腕は一気に力を失った。
そのままわたしたちは少しの間固まっていた。
ようやく彼の腕が私から離れた。
彼はばつが悪そうに立っていて、部屋から出ようとしていた。
「待って。」
なぜかわたしがとんでもないことを口走った。
「その……恋人なら、この…先を…続けて」
彼は私がこんなこというのを全く考えていなかったらしくかなり驚いていた。
私の口はなかなか閉じなかった。
「…お母さんは…今日遅く帰ってくるの。だから…」
「園村…いいのか?」
「お…おね…がい…」
その言葉を聞いて彼は急いでポケットから財布を取り出した。
なにか財布から何か取り出したみたい。
今度はさっきのキスと違ってゆっくりやさしく唇に触れた。
口の中に彼の舌が入ってきたとき一瞬気持ち悪いと思ったけど、
お互い舌を遊ぶように絡ませてみると、あまり気にならなくなった。
むしろ心地いい気分になった。
そのままわたしたちはベッドに身体を投げ出した。
彼はわたしの身体を触り始めた。
はじめはくすぐりをされている気分だった。
私もお返しに彼の身体を触り始めた。
てぐりさぐりと身体を触っているうちに、
お互いの息遣いがだんだん荒くなってきていた。
「マキの…その…裸を見たいけど…いいか?」
「……うん…。そのかわり…電気を……消して…」
一旦ベッドから立ち上がりあたしは電気を消した。
わたし一枚一枚服を脱いでいった。
夕暮れの紅い光が生まれたままの姿のわたしを余計恥ずかしくさせた。
彼もベッドの上で服を脱いでいた。
彼の下半身には見慣れない大きなものがあった。
話には聞いていたけど、男の子のはすごくグロテスクに見えた。
彼はさっき取り出したコンドームをつけようとがんばっているみたい。
もしかして彼も初めてなのかな?
ようやくつけ終わったみたいで、彼は私の身体をじろじろ見ていた。
「…その…恥ずかしいのだけど」
彼に自分のことをみててくれている嬉しかったけど、
わたしはあまり身体に自信が無いからあまり身体を見て欲しくなかった。
そんなわたしの言葉を聴いていないかのように彼はあたしを見続けていた。
これ以上見られないために彼を抱き、そのままベッドにお互い横たわる姿勢になった。
そのままわたしたちはさっきの続きをはじめるようにお互いの身体を触り続けた。
さっきと違って、すごく奇妙な気持ちになってきた。
「もう…いいと思う…よ」
彼のがもう我慢できないみたいだったので、思い切って言ってみた。
彼は私の脚を広げ、なんとか狙いをつけようとしていた。
私は怖くて身体を強張っていた。
彼のが私のに何度も触れた。
そのたびに私はすごい刺激がうけた。
そして、彼のが入ってきたのを感じた。
無理矢理入ってくるみたいで、すっごく痛かった。
少しずつ彼の熱さが身体の中に入ってくるのが分かったけど、少し裂けるような痛みを何とか我慢しないと思い目を閉じた。
「マキ…ごめん。痛かった?」
「うん、すこし」
「もう止める?」
「お願い。我慢するから、もうちょっとあなたを感じさせて…」
「じゃあ、行くよ」
彼はやっとあたしの奥に辿り着いた。
私はかなり痛かった。
彼はそんなわたしの痛みを感じ取ったらしくて、痛みが治まるまでそのまま動かなかった。
痛みもだいぶ収まった気がしたので、
「少し動いて…いいよ…」
と小さな声でつぶやいた。
その言葉を聞いた彼はすこし身体を動かした。
まるで身体の奥の何かが引っ張られたように感じた。
その感覚の後また彼の暖かさが身体に入ってきた。
そんなのが何回も続いていると、痛みもあまり感じなくなってきた。
むしろこの奇妙な感じを楽しむ余裕も出てきた。
でもそんな感覚も突然終わった。
彼のが一瞬大きくなってすこし圧迫を感じた。体の奥の温度が一瞬高くなったきがする。
そして、だんだんと圧迫感が失っていった。
彼は疲れ果てた様子だった。
わたしも気づかないうちにかなり汗をかいでいた。
そのまま彼はわたしの横に寝そべった。
彼のが離れたとき少し寂しい気持ちになった。

「ごめん…園村のことを考えずに俺だけ気持ちよくなって」
「うんうん…わたし、あなたと一緒にいたということを感じただけでいいの。
それに、初めてはあまり気持ちよくならないらしいから。
綾瀬が言うには三回ぐらいしないと気持ちよくならないらしいから」
彼の胸に横たわって彼の鼓動を感じた。
「そうなんだ。
…今度はちゃんと…」
「…今度はって…」
彼の顔をじっくりみていたずらっぽく言った。
そして、今度はあたしからキスをして
「また、いつかしよ」

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あとがき

かなり書いていて恥ずかしい思いをした作品です。
一体いつの少女漫画かと思うような出来。
こういう恥ずかしいのも書くのは好きだけど。

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