裏・歪んだ町

真・女神転生 NINE
作:たってぃ

頑丈なのがとりえだからと、彼女は笑って答えた。
性的を感じさせない、明るい健康的な笑顔が、とても眩しい。
バラキは複雑な表情で、部屋を出て行くケイを見ていた。
彼女のもう一つの内面。
それを目の当たりにした彼が、今どういう気持ちになっているのか、僕は知らない。
はっきり言えばどうでもいい。
裏切られたと思うのなら、それは大きな誤解だ。
彼女に対して、勝手に夢を見ていた。
バラキの方に問題がある。
大人になれと言った、僕の言葉を彼がどう受け取ったか知らない。
が、今後、彼が軽はずみな行動でケイを危険な目にあわせるのであれば、
それなりの処置を考えなければならないなと、僕は思う。


「………ムビオラぁ」
甘い、ねだるような声が、耳について離れない。

急にケイの事が心配になり、支配人室に駆け込んだ。
そこで、繰り広げられている光景。
機械的に腰を動かし続けるバラキと、卑猥な嬌声をあげるケイ。
その横で、淫魔が厭らしい表情で二人の行為を眺めていた。
僕は事態を瞬時に理解し、淫魔を瞬殺し、二人の体を無理矢理引き剥がす。
淫魔が死んだ瞬間に術が解けたのか、バラキは、まるで人形のように動かなくなり、
そのまま床に倒れこんだ。
ケイは、まだ術の余韻が残っているのか息がとても荒い。
「ケイ、大丈夫かっ! しっかりしろっ!」
「……ムビオラぁ」
ぞくりとした。
今まで見た事が無い淫靡な笑み。
理性を蕩かす様な甘い言葉。
潤んだ瞳が僕を映している。
僕は、内心の動揺を押し隠して、向こうの部屋にケイを休ませた。
部屋を出ようとした時、ケイが僕の腕を掴む。
「………ムビオラ………いれてぇ…わた…しの中…かき回して…」
欲情した声。
淫魔の術に、ケイはバラキより長く掛かっていたのだろうか、なかなか抜け出せずに
いるようだった。
なにもしない僕に、ケイは少しじれったそうな表情を浮かべ、僕の指を舐める。
「!」
柔らかい舌、生暖かい口内の感触が、僕の指に伝わる。
口から引き剥がすと、ケイは蜜が溢れている秘所に、僕の指を突き立てかき回した。
「……あん、・・・あぁあ…いぃと…ても、きもち…いぃ」
ケイの蜜が指を伝い、僕の服の袖を汚す。
ケイはそんな事には構わず、僕の指で自慰を楽しんでいた。
快楽に歪む顔。
肢体が薄い桜色に染まる。
「ねぇ、ムビオラぁ…早く、いれてぇ……さっきのように
……今度は…腰動かして…奥まで突いて!」
ケイは淫らに腰を動かし、僕を見た。
さっきと言うのを、僕は知らない。
何が起こったのか本当のことは僕にはわからない。
淫魔が僕に化けて、ケイを犯したと考えるのが妥当だろうか?
ケイは、秘所から僕の指を引き抜き、蜜まみれの指を、美味しそうにぺちやぺちゃ舐
めた。
その透明な蜜に、わずかに混じる白濁の液はバラキのだろうか?
舐め終わると、今度は僕のズボンのチャックを下ろし、僕の男性器を口に頬張る。
自分の分身が、厭らしくケイの口の中で膨張した。
敏感な部分を舌で重点的に攻められて、僕の我慢も限界になる。
「う!…あっ」
下腹部に走る甘い疼き、自慰行為以上の刺激が、僕の中で走る。

どうして、やめさせないんだ?
僕は快楽に溺れる中、必死で自分に問いた。
馬鹿馬鹿しい。
したかったからだろう?
意地悪く、もう一人の自分が答える。
そう、したかった。
彼女が自分を持て余して、オルトロスにまで寝たことを、僕は知っていた。
彼女の股間に顔をうずめる魔獣。
もっと、もっととねだる彼女の姿。
あの後、それが僕だったらと、夢想して自慰していたことなんて知らないだろう。
僕の股間に顔をうずめるケイ。
もう何も考えられない。
淫魔の術が、自分にも伝染したのかもしれない。
それでもいい。
僕は今、彼女の望みどおりの行動をしたい。
彼女を汚して、自分も汚して、腐海の中で快楽を共有したい。

「ケ…イ、もっと……だ、もっと今度は、袋のところも…うっ…!」
僕はケイの頭を押さえつけ密着させた。
ケイは荒い息を吐きながら、僕の要求どおりにフェラをする。
先端に、茎に、根元に、そして袋に、彼女は舌を這わせ、潤んだ瞳で僕を見つめた。
この瞳。
また、ぞくりとする。
征服欲を刺激するような、甘い視線。
オスの本能が、目覚めるような感覚。
バラキは感じただろうか?
いや、感じなかっただろう。
まるで、彼は逃げるように腰を動かしていた。
彼女の感情を、汚いものだと感じ、快楽に逃れようと、ただ行為を行っていた。
子どもだな。と、僕は思った。
「ケイ…い…いこだ」
僕は腰をわざと浮かせた。
彼女の口から引き抜かれるペニス。
自慰したときとは比べものにならない、大量の精液が彼女の顔を汚した。
「……あん、……あ…つい」
ケイは、恍惚とした表情で顔についた精液を指で絡めとり舐める。
「ムビ……オ…ラに汚されちゃった……」
「顔射は初めてじゃないんだね」
こくりと、ケイは首を縦に振る。
「ねぇ……、も…う、いいで……しょうぉ、早く…いれて」
熱を吐き出したからか、僕の頭はさっきより鮮明に、ものごとを捉えるようになっ
た。
僕は焦らしたくて、ケイに意地悪く言う。
「さっきまでバラキを咥えていた穴にかい? 
だとしたら、もっと綺麗にして欲しいな。
君のあそこ、君の蜜と一緒に、バラキの精液が流れてる」
「……きれ…い…にするから…おね…がい」
「それじゃあ、足を開いて、指を突っ込んでかきだすところを僕に見せて…」
彼女は、言われたとおりに足を開いて、僕に掻き出す所を見せた。
まるで、オナニーをしているところを見ているようだ。
指が動くたびに、ケイは、はしたない声をあげ、片手はクリトリスを弄っている。
「あ…あぁ、…あん」
溢れる蜜。
バラキの精液は、蜜と共に流れていく。
「手伝ってあげるよ」
そう言って、僕はケイの指が入っている秘部に指を挿入した。
「はあぁ、…ん……き…もちいいぃ…」
「指を入れただけでよがるなんて、君は本当に淫乱だね」
薄笑いを浮かべて、僕はもう一本指を挿入する。
「あぁっ!」
ケイは嬌声を上げて、身体を痙攣させた。
僕はケイの指をどけさせて、股間に頭を埋める。
濃厚なケイの匂い。
溢れるケイの蜜を飲み。
みだらに勃起したクリトリスを甘噛みする。
「はあ…ぁん…ム…ビオラ…も……っともっと…してぇっ!」
「あぁ。淫乱なケイを満足させてあげるよ」
頭がくらくらする。
一連の行為で、僕のペニスはまた硬く膨張していた。
破裂しそうになるほどの熱が、ペニスに蓄積されていく。
ペニスを挿入すると、彼女は喜びの声をあげた。
「あん……ぁ、ムビオラ…のは…いっ……て……る」
僕は、彼女を向かい合わせるように跨らせた。
「か…ん……じるう……ぅ」
「さっき、君は突いてと言ったね。騎上位はきらいかい?
 それとも、獣のように四つん這いになって、後から犯されるのがお好みかい?」
「…どっち……でも」
「どっちでも? 君はよっぽど、犯されるのが好きなんだね」
ケイは何も言わず、首を縦に振った。
僕は腰を動かした。
ケイは少し口から唾液をたらし、僕に成されるがままになっている。
彼女の膣の中で、僕自身は扱き上げられ膨張し、彼女の子宮を突付いた。
「うっ! あぁ…お…くあたっ……てるぅ! 
………あ…たってるぅ! …あぁっ!」
「はしたないな」
さらに激しく突付くと、ケイは自ら腰を振った。
腰を振るたびに、乳房が揺れ、結合部分から蜜が溢れる。
僕が彼女の乳首を噛むと、彼女はぴくぴくと痙攣した。
彼女は、順調に上り詰めているのが見て分かる。
だけど、僕の中で何かが足りないと訴えていた。
「は…・・・ぁ、あ、ムビ・・・オラ・・・・・・お・・・くもっと、
突いてっ!……突いてっ!……うああ…ぁは…あっ!」

そう…。

もっと彼女を汚したい。

「う…あぁん、ムビオラ・・・?……いっ!」
僕は結合部分に触れ、クリトリスを愛撫した。
そして、蜜で濡れた指を、彼女のアヌスに挿入させる。
アヌスの方は、まだ経験がないのか、進入してきた異物を排除しようと、僕の指を拒
んだ。
僕は強引にアヌスを犯し、腰を動かす。
思ったより、彼女はとても感じていた。
「あぁ、…いいぃっ! 気…・・・持ちいい・・・いっ!いぃ
いいっ!・・・・・・バラキより・・・・・・と・・・ってもい…いっ!」
「そうかい?」

犯してやる。
バラキがまた彼女を犯そうとした場合、彼女を逝かせないように。
僕だけしか、彼女を逝かせないように。

「……あっ!」
両の穴を攻められて、彼女はあっけなく逝った。

彼女が逝ったのを確認した僕は、
ティッシュを取り出して自身の精液を処理する。
本当は彼女の中で出したかったのだが、
そうなると後の処理が大変だと思ったからだ。
彼女の秘部の蜜をふき取り、服を着させ、
何もなかったように処理をする。
性欲を処理するためだけのSEXは、
終わった後に何事もなかったよう処理をする方がいい。
お互いのためにも。

「んっ」
「ケイ。起きたのかい?」
「ムビオラ…私、一体?
……インキュウバスは!? バラキ君はっ!?」
「覚えてないのかい?」
「……」
ケイは目を伏せ、首を縦に振った。
彼女は、本当に何も覚えていなかった。
僕は、軽い安堵と失望に襲われるが、それでもいいと思った。
そう、彼女のためにも。


少し非難めいた目で、バラキは僕を見ていた。
彼にはわかるまい。
情欲を汚いものと決め付け、
向き合おうとも、処理しようともしない、子どもの君には。
微かな苛立ちが、バラキに対して湧き上がる。
何もないことがどんなに大事なことか、
この男にはもしかしたら一生分からないのかもしれない。

そう、彼女の中では何事もなかった。
それでいいではないか。

――いや。
ふと、僕は思い出した。
『あぁ、…いいぃっ! 気…・・・持ちいい・・・いっ!いぃ
いいっ!・・・・・・バラキより・・・・・・と・・・ってもい…いっ!』
バラキよも僕のほうが、良いと言った彼女の言葉。
そう、僕は彼女に刻み付けた。
バラキが与えた以上の快楽を、

何事もなかった。
しかし、見えない形で何かが残った。

僕は軽い優越感を抱きながら、竜宮城へ帰った。
僕は、汚い、腐った心の持ち主かもしれない。
それでも、彼女を悦ばせるのなら、それで良いと思った。
それが、大人なのだから。

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あとがき

歪んだ町のバラキにとっても萌えたので作りました。
バラキといったらムビオラです(安直)
それに、バラキ視点だったから、ケイちゃんが逝ったかどうか分からなかったし…。

 

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