竹内教授の助手として、1995年に潜り込んで2ヵ月。
NEMESISの運用によって如何なる影響が起きるか、
それが今、竹内教授らの主だった研究だった。
理論は完成されたが、まだ実用化されていないFASSを完成させる為にはここが最も重要な問題。
もっともTWOに所属している私にとって、答えは知っているのだけどね。
資料室から、因果と時間の関係に関する大量の資料を研究室まで運ぶのが、今の私のお仕事。
最先端の論文をはじめ、アインシュタイン博士の「一般相対性理論」、Physical
Review Lettersの61巻、明らかに冗談半分のウェルズの「タイムマシン」などの数々の本を選び、
資料室から出ようとした。
「カレンさん、荷物運ぶのを、手伝いますよ」
ナオキ、来ていたんだ。
「悪いわね、ナオキくん。でも、これが私の仕事ですから」
ナオキ、私のことを忘れているのは分かりきっていたことだけど、
ほんの少しでもいいから、覚えて欲しかった。
あの時のことを記憶から引き出した。
「…………カレン」
「えっ、よく聞こえないわ!
もう時間が無いの、じっとしてて」
「ナオキ!あぶねーぞっ!!」
「カレン!……………愛してるっ!」
ナオキの姿が消えていった。
彼は彼の時代に戻った。
「……バカッ……………
さよなら、みんな……
さよなら、ナオキ……」
最後にあんな言葉を言うなんて………
でも、目の前にいるナオキは一度肌を合わせたナオキではない。
そう、私を愛したナオキがいる歴史はもう存在しない。
だから私はこの気持ちを彼に隠さないといけない。
彼のために……
「…………カレンさん?カレンさん?」
「ごめん、少しボーとしてた」
「大丈夫ですか?疲れている様だし………だから手伝いますよ」
ナオキは荷物を取ろうとした……そのとき
私はバランスを崩し、ナオキを巻き込んで倒れ込んでしまった。
沢山の資料が床に転げ落ちた。
身体に圧迫感を感じる。
「……ごめん、カレンさん」
ナオキが私の上に圧し掛かっていた。
「な…ナオキくん、その……はやく……どいて欲しいのだけど」
男特有の汗臭さが漂う。
「嫌って言ったら?」
「怒るわよ」
ナオキは離れるどころか立ち上がろうとした私の腕掴み離そうとしない。
「カレンさん………カレンさんにはじめて会った時、
なぜか以前、俺はカレンさんと会った気がする」
「えっ!?」
かすかとはいえ、私のことを思ってくれるなんて……
いやイントルーダーが記憶を持つことなんてありえないはず………
未来の記憶を持つことは自分の意思とは関係なしに時間の輪を壊すことになる。
だから時間旅行者であるナオキの記憶を私が消した。
悪魔と戦った記憶はもちろん私の記憶がナオキにあるわけがない。
「カレンの綺麗な金髪も、透き通るような青い目も、何処かで見たことがある。」
ナオキは憑かれたように喋る。
「頭がおかしいように自分でも思うけど、俺はカレンさんと会う前からカレンさんのことが好きだったんだ!!」
「………ナオキ…………」
目頭が熱くなる。
「カレンさん…………俺のこと……キライ?」
ナオキに見つめられて、心臓の鼓動が早まってきた。
とてもいとおしい。
ナオキの首に両手を廻し、くちづけをした。
「……強引すぎる。
………(あなたは覚えていないけど)私はあなたと会った時から気になっていた……」
私の言葉を聞いて、ナオキからキスをした。
今度は、お互いの舌を絡ませながら、深く愛を確かめあうように、キスをした。
服越しからでも彼の鼓動が感じられる。
「カレンさん………」
お互いの動悸も激しくなってきた。
彼は緊張しながら、少しづつ私の服を脱いでいった。
ボタンを外す手がすこし震えているのを見て、すこし意外な気がした。男前だから女性慣れしていると思っていた。
手を後ろに回してブラジャーを取ろうと四苦八苦しているのがおかしくてついクスっと笑ってしまった。
笑われたことに焦ったのか無理やり外そうとした。
「……お気に入りだからあんまり乱暴に扱わないで…それに結構高いのよ…………真ん中にある………そう…それ……
その裏を押しながら……ゆっくり外して……」
顕わにされた私の胸を彼は凝視している。
ズボンのふくらみを見て勃起しているのが分かった。
見られて恥ずかしく手で隠したけど、
ナオキはその手を掴み、残った右手で私の左胸を揉み始めた。
はじめは戸惑いがちに揉まれ、くすぐられる感触で笑いを堪えるために顔がすこしひきつった。
途中強く揉むからすこし苦痛も感じたけど、徐々に慣れていった彼の手の動きひとつひとつが体に快感を引き起こしていった。
ナオキは次に右乳を赤ん坊の様に吸い始めた。
「…はぁ……うあ……は…はあ……・」
私はあられもなく喘ぎ声をあげる。
立った乳首に軽く歯が当たった時はつい嬌声もあげてしまった。
パンツが濡れてきている。
ナオキを見るとズボンの上からもう我慢できそうにもないことが明らかだった。
ナオキも自分の服を完全に脱いでしまった。
あの戦いを経験しなかった彼の肉体はかつて抱きしめられたときほど筋肉質ではなかった。それでも彼の胸板の感触は安らぎを覚える。
彼の下半身を見ると充血し今にも爆発しそうなものが見える。
「……カレンさん…挿れていい……?」
私のパンツに手を掛けて、ナオキは言った。
「はぁは…いいよ…でも、ぁ…私のことをカレンと呼んで……カレンさんなんて…他人行儀な言い方は止めて……」
私の濡れたパンツを横に放り出し、ナオキは焦らすかのように注意深く挿入した。
ゆっくり入れられて、彼をどんどん感じていく。
すこしづつ彼の動きが早まり、快楽で頭がおかしくなってくる。
「…カレン!!愛してる」
「あはぁ、はあ、はぁぁ……ば…バカッ…
……あの時…あはぁん……言う…ことが…できなかった…けど、
……私も…………よ…ぁはあぁ……」
「………ハァハァハァ……あの…時……?」
「……何…でも…ないわ……ふぅ…ああぁ………
気に…しない…で………」
「……カレンカレンカレン…カレン……」
ナオキが私の名前を連呼している……
私も……彼の名前を何度でも…言いたい…
「ナ……ナオキ…ナオキ…ナオキ……」
「カレン…カレン……カレン……今度は…絶対…離さない……」
「…え…うくぅ……ひゃん…はあはぁは……ナオキ…ぁ…今度って……」
「…分からない……でも今度は絶対離れたくないんだ!!」
「…ああぁぁ……ありがと…う…ナオキ……」
……いっちゃ…た……
私の締め付けによって、彼も出ちゃっているみたい。
ナオキの精が私を満たしていく。
小さな幸せを感じながら、息を整えた。
冷静に考えると私はとんでもないことをしている。
時代の異なる者への性交渉は明らかなTWOの規約違反。
始末書どころの騒ぎではないかもと口煩いチーフのことを思い浮かべようとしたが、なぜか思い出せない。
おかしい。
なんとか未来のことを思い出そうとしたけど、何一つ思い出せない。
ただ覚えているのは任務のことだけ。
〔タケウチ親子を守れ〕
そう、私は理解した
ナオキ、私はもうあなたと離れない。
この任務を受けたのもそのためよ。
まだ、息が荒いナオキの唇に軽く、キスをした。
「ナオキ…私を離さないで…」
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あとがき
魔神転生IIはゲーム時間の長さ(敵の思考ターン)で何度もめげそうになったゲームのひとつです。
一応NN、DL、LCの三つのEDは見たのですが、残り二つは見ていません。
あるサイトですべての会話データが載っているのを見て、LLルートのカレンとナオキのEDが気に入り、
LLルートのEDの続きとして書きました。
タイムトラベルものとしてはよくある終わり方ですけど、DLの救われない終わり方を見た身としてはこのEDを見たかったです。
題名はビル・マーレーの映画からとりました。