「尚也くん、お茶飲む?それとも発泡酒?」
電気ポットのスイッチを入れて、急須を取り出した。
パラディウムでの再会、そしてみんなとお酒を飲み交わした後、
エリーは明日モデルの仕事があるということで早めに店を出て、
みんなもしだいに切り上げていた。
城戸君なんて「遅くなると、あいつが心配するから」といってさっさと帰っちゃったし。
それで、私は尚也くんにお家まで送ってもらった。
「マキ、雰囲気変わったね」
「突然どうしたの?」
缶を開けながら、尚也の目を見た。
「みんな昔と違って、それぞれの夢を掴みかけていると思ってね。俺はまだ何も掴め…」
全てを言う前に、私が飲んでいた缶を押し付けた。
「約束を言い始めた人が、そんなことをいうのはずるい」
押し付けた缶を再び飲み始めた。
「マキ、酔っていないか?」
「酔ってなんかいない。それより、私のどこが変わった?」
「綺麗になった」
「えっ!?」
「それに元気になって、安心したよ」
私の唇に柔らかい感触があった。
「元気がなかったとき、私に迫ったのは誰なの?」
そして、熱い彼の舌が私の口にすべり入り込んだ。
私も彼の舌の味を確かめるように、絡ませた。
二つの舌が激しく動くにつれ、口の中の性感をより刺激した。
しだいに身体も熱くなり、彼の手が私の身体を這った。
一瞬背筋を硬直したけど、そのまま彼の手に身を任せた。
はじめはお尻、次に背中、そして首筋、耳の裏と右手が這った。
左手は私の胸をもんでいた。
私は彼のズボンを下げ、彼のものを指で弄んだ。
「はぁーはぁ、ねぇ、この2年間私とエリー以外に誰かと浮気した?」
「いな…痛い、強く掴まないでくれ」
「尚也くん、美形でやさしいから女性ならほっとけないと思うの。それに高校の頃私とエリー二股かけていたし」
「本当にいなかったから、離してくれ」
「いいよ。ただし、私のあそこ舐めて、私も舐めるから」
私は彼の上に乗り、亀頭を舐め始めた。
彼も私の陰唇を舐めて、私をさらに高みに上らせた。
ぺちゃぺちゃと淫靡な音が私の部屋の中を流れ、私の心臓もより激しく動き始めた。
もう、我慢できなくなって
「お願い、私の中に入れて……」
と彼のものにコンドームをつけながら、ねだった。
私はお尻を突き上げ、陰部の全てを彼に晒した。
彼のものはゆっくり下の口に触れ、少しづつ私を貫いていった。
あまりにもじれたかったので、突き上げていたお尻をさらに上げた。
「自分から動くなんて、マキって結構淫乱だよね」
「ニ年間…我慢…していたんだよ。それより…はやく動…かして…。こんな状態、はぁ、切なくて苦しい」
快楽を得ようと、腰をどんどん動かした。
尚也くんもはじめはゆっくりだったけど、どんどんと動きが激しくなっていった。
「もっと…もっと激しく突いて…」
さらに快楽を貪ろうと、乳頭をつまみながら言った。
「マキ、そろそろいくぞ」
「だめ……まだ、いっちゃだめ。…私ももう少しで…いくから…」
彼のものが私の中で今にも出そうと膨張しているのを感じた。
「ごめん」
さらに大きくなったも束の間、急激に萎んでいくのが分かった。
「もお、私ももう少しでいきそうだったのに」
中途半端で終わって、少し気分が悪かった。
「ごめん、マキ」
「謝るなら、もう一度して。今度は私を満足させて」
「あぁ」
今度は向き合いながらし始めた。
「はぁぁ、尚也くん、今夜だけは私のそばにずっと居て…あん」
(分かっているの。また、居なくなるのは。でも、今夜だけは私の横で寝て欲しい)
「……………」
尚也くんがなにか言った。でも、昇りつめていた私にはよく聞こえなかったけど、心地いい響きだった。
「尚也くん…いっちゃうよ……もう…なにか頭が白くなっちゃうよ!!」
今度は私の方がいった。でも、彼は物足りない様子で動かし続けた。
一度いった私の身体は何度も絶頂を迎えた。
そして、
「はぁーっ」
「園村さん、ずいぶん眠そうね。」
「ごめんなさい、黎子先生。昨日夜更かしして…」
「憧れの王子様と一晩過ごしたんでしょう」
「えっ、黎子先生どうして分かったのですか?」
「顔がにやけているわよ」
慌てて真っ赤になった顔を隠したけど、
もう遅かったみたいです。
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あとがき
蝶の夢の続きのお話です。
最後の数文を書きたいがために書いたSSです。
実はエリーにしようかマキにしようか迷っていたのですが、
エリーをうまくかけなかったので、マキに。
いつかエリーのほうも書いてみたい。