薄暗い闇の中で、三つの影が蠢いていた。
よく見ると、まん中の影は白く浮かび上がり、可憐な裸体を曝け出している。
彼女を挟む二つの影は、次第に動きが激しくなり、彼女の美しい肢体を白濁の液で汚し始める。
女性は嬌声を上げ、もっともっととねだった。
二つの影は、その言葉を叶えるためにさらに動きを激しくする。
二つの影は――二人の男は、そんな彼女の淫らな怪花に自分の分身を突っ込み、こねくり回し、白いマグマをはきかける。
体中の穴という穴を犯され、彼女の顔は、涙と唾液と精液だらけになる。
その顔には、快楽に蕩け切った笑顔があった。
その笑顔に、二人の男は欲情し、さらに過激に、激しく行為を続ける。
その笑顔に欲情したのは、その女に対する愛情だったのか、それとも、オスとしての性なのか、二人の男は自分の感情を量りかねたが、そんな些細な気持ちは快楽の波に流されていった。
「くぅ」
二人の男の一人がうめいた。
限界まで締め付けられる、自分自身。もう、何度も射精したか分からない体。
「でっでるぅ…」
別の男がうめいた。それでも、お構いなしに彼女は締め上げてくる。
快楽に近い拷問。
痛みがだんだん勝ってきながらも、彼らは彼女の中で達し続けた。彼女が満足するまで…。
「彼女が求めてきたら、キスはしないことだ。かえってあとが苦しくなる」
冷静にムビオラは行った。
バラキは、厚いタオルでケイの体を清め、行為の片づけをする。ムビオラの声に耳を貸す気はなかった。
ケイはケイで安らかな眠りに付き、一向におきようとしない。
「オレらは、一体どうなるんだろう…」
バラキはポツリともらした。
ムビオラも不安げに黙り込む。その視線の先にはケイがいた。
彼らが、ケイを何度抱いたか、その回数も、その内容も多くありすぎて、あやふやな領域にかかろうとしている。
世界の真相が知れば知るほど、彼女の精神は不安定の一歩を辿っていた。
不安定になった彼女は、二人を求めた。
二人は彼女が助かるならと、幾度となく抱いたが、芳しくない結果だけが続く。
自分たちがしたことは、崩壊を先延ばした、ただけという事実に二人は苦しんだ。
自分たちの無力さに打ちひしがれ、虚無感に行為を終えた後襲われる。
それよりなにより、彼女が求めているのが愛ではなく、快楽だということに二人は、どうしようもない気持ちを持余した。恋敵の分身が、愛するものの体に射精する様子は、見ていて不愉快すぎる。
殺意に近い衝動が、自らのうちに去来し、怒りが己を支配する。それは、近い内に訪れる未来を暗示しているのかもしれない。
二人の気持ちを知らずに、彼女は規則正しい寝息を立てている。
壊れ行く心。
起きた時、また自分たちを求めるだろうか?
構わない。自分たちはもう、彼女から離れられない。
これは、ある意味呪縛。
おわり
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あとがき
前回とは違って、ダークな仕上がりにしたんですけど、楽しんでいただけましたでしょうか?
というより、NINEばっか書いてもっと他のメガテンをかけってかんじですよね(苦笑)